🎓 法人向けサービス活用例:マネーフォワード様
株式会社マネーフォワード (以下、マネフォ社) で『Railsチュートリアル 法人プラン』と『Railsガイド Teamプラン』を活用した新卒研修を実施しました! 本記事ではその研修内容と背景にある構想、および実際の成果やフィードバックなどをまとめています ✅
研修内容は株式会社メンバーズキャリアの活用事例をさらに改善させたものとなっており、具体的には、次の流れで研修生の学びを1ヶ月間サポートするプログラムになります。
- 📚 教材でプロダクト開発の雰囲気を掴む
- Railsチュートリアル法人プランを提供し、各自のペースでプロダクト開発の流れを掴む
- 既に個人で完走していたり、大学/大学院で受講していれば下記 2. に進む
- 教材はRailsチュートリアル以外でも良い。例えば万葉さんの el-training や現場Railsなども 🆗
- 🛠 次のいずれかでプロダクト開発に取り組む
- A. 上記 1. の教材の題材 (Sample App など) をベースにしたプロダクトの拡張
- B. 何を作るか自分で決め、そのプロダクトの開発を進める
- いずれの場合も期間内に達成したい目標を立て、その目標の達成を目的とする (いわゆる PBL)
- 🗣 研修の最後に成果を発表する
- 発表の様子は動画で収録し、社内で共有 (一般非公開) 🎥
- 当日の雰囲気は未踏ジュニア最終成果報告会に近いカタチです 😉
研修の背景と構想
Progate法人向けサービスやRailsチュートリアル法人プランだけでなく、現在は多くの有用な教材があります。そのため参考になる書籍・サービスのリストなどを提供しつつも、将来役に立つであろう知識を講義形式で教わる受動的なスタイルより、『今必要だと思った知識を今学ぶ』という主体的なスタイルの方が彼ら/彼女らの人生にとってプラスになるであろうと考えました。
これは僕自身 (@yasulab) が関わっている未踏ジュニアの著しい成果を近くで感じて、主体的に学ぶスタイルを身につけるメリットは想像以上に大きく、より早く身に付けられればより大きな成果を出せるようになるであろう、という考えが背景にあります。
とはいえ2012年から今に至るまでプロダクト開発型の学習を実施してきて、「好きにやればいいよ」では失敗するということも分かっています。そのためマネフォ社の研修担当の方と二人三脚で様々なサポートを実施し、研修生の主体性を大切にしながらも、適切なタイミングで適切なフォローができる体制にも気を配りました。
フォローの内容は多岐に渡りますが、一般公開できるものはスライドとして公開しています。もし興味あればぜひご参照していただければ 😉
📜 雰囲気で掴む Product Ownership
📜 困ったときのガイドライン
研修の成果とフィードバック
予定調和的な研修ではないため、想定通りにうまくいったり迷って回り道してしまう場面もあります。しかしそういった試行錯誤を含めて、自分で考えたことを自分で取り組むことに大きな価値があると考えています。これは僕自身が全国169ヶ所以上に広がった CoderDojo に関わっていて気づいたことでもあります。
“世界を知るためには、それを自ら構築しなければならない”
by チェーザレ・パヴェーゼ
主体的な知識の獲得により重きを置いているため、研修生の方々が作り上げた最終成果の大小についてはあまり重視していないのですが、とはいえ「例えばどんなものが作られたんだろう?」といった点が気になる方もいると思います。今回の研修で開発されたプロダクトの一部は GitHub 上でも公開されているので、もし興味あればぜひチェックしてみてください (許可をいただいた一部のみを掲載しています ✅)
- Crypt系: https://github.com/mingnyaming/CrypView
- Ruby系: https://github.com/yuhei-tomita/orenoemoji
- Elixir系: https://github.com/nogtk/chatapp
また、研修生の視点から見た本研修プログラムへの感想・フィードバックも頂いています。『自分達も似たような研修プログラムにしてみようかな? 🤔💭』と検討されている場合は、こちらも合わせてご参考にして頂けると嬉しいです 😸 (一部編集しています ✂️)
- 技術を教わるのではなく、自ら学ぶ体験、しかも実際にプロダクトを開発しながら学ぶことができたのは、とても早い吸収につながった。
- 自分の好きなプロダクトを作りながら現場のエンジニアからPRへのフィードバックをもらえる機会は中々ないのでぜひオススメしたい。一方、学びたい言語が特殊な言語だったり、プログラミング初心者で手厚いサポートが必要な人にとっては、(工数とアドバイス能力という観点において) ベストパフォーマンスが得られるかどうかは疑問でした。
- 定期的になんでも相談に乗ってくださる、かつ、話しやすいサポート役の方々 (研修担当者やメンターさんなど) がいるので安心感が格段に違いました。
- 個人がいい目標を設定できるかで、この研修がうまく行くかどうかが決まった気がした。個人によってスキルセットが全然違うし、みんなで同じことをやるよりは良かったと思う。
- Reactの習得が目標で、達成できたと思う。Reduxも同時に習得したいという思いもあったが、目標設計の時点で工数オーバーだと気づいて諦めたのが良かったかもしれない。
- Railsという1つの技術に絞って自分は学習したので、確実に基礎の技術を習得できたと思う。
- 不確実性の排除を自分で行うことができたとは言えない。「何をやらないか」を選択しきれなかったので、もし「学び」を「習得・実践できる」と定義するなら、この部分は達成できていないと思う。
- 機能を切り捨てる経験と取り入れる経験をすることができた。プロジェクト開始時にタスクの洗い出しをできたのも良かった。プロジェクト中盤以降で一度、タスクの整理や優先順位付けをやるべきだったと思ったが、開発したい意識が先行して手を止めることができなかったのは反省点。
- 自分は教材に則って進めたので、アイディア案であったり序盤の設計に関しては学びは少なくなってしまった。
- 「30分困ったら誰かに尋ね、その間自分は他のタスクを行う」ことを学んだ。限られた時間の中で出来ることから進めていくことは、スケジュール管理の上でも重要であると感じた。
- プロダクトオーナーとしての考え方が大変学びが多かったです。ユーザーが一番求めてる機能は何か、優先順位をどうやってつけるかなどを自分の体験として経験できたことが大きかったです。
(研修生からのアンケート回答結果より一部引用)
追記: マネーフォワード公式ブログにも載りました 😉
📜 ビジネス職からエンジニアへシフトした私が新卒研修で学んだ1つのこと | Money Forward Engineers’ Blog
📜 Slackのデータを可視化してコミュニケーションを活性化させた話 | Money Forward Engineers’ Blog
まとめ
いかがでしょうか? フィードバックにもあるように、研修プログラム自体もまだまだ改善できる箇所はあるなと感じていますが、従来の受動的に学ぶスタイルと比べても、主体的に学ぶスタイルの研修は決して見劣りするようなものではないかなと考えています。
YassLab 株式会社では、プロダクト開発で役立つ『Railsチュートリアル』や『Railsガイド』を運営しています。月額制のRuby/Rails開発支援とは別に、本記事で紹介したような研修プログラムの支援も個別に対応しているので、もし興味あれば下記連絡先よりお気軽にご相談ください 😉
YassLab 株式会社
info@yasslab.jp
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